そばの里 in 十勝新得町

そば

開拓の歴史と共にある新得のそば
そばで生かされていることに感謝する

そばがあるから私たちは生活できる

 今年3月、そばを栽培する新得物産サホロ農園が、日本蕎麦協会の最高賞『農林水産大臣賞』に輝いた。新得町では4度目の快挙で「日本一のそば産地」をアピールする結果に喜びつつ、新得町観光協会会長として目前に迫った『日本そば博覧会in十勝新得町』の開催に向け、気を引き締める清水さんに話を伺った。

 製粉・製麺・商品販売を担う新得物産、そばを栽培するサホロ農園、そして、そば打ち体験道場やレストランの新得そばの館の新得物産グループを束ねる清水さんは、開口一番にこう切り出す。「ここにはパートを含め約40人が働いています。私にはその人たちを守る使命があるし、そばがあるから生活できるんです。そばに生かされていることを感謝しています」。

 新得町のそばの歴史は古く、明治32年にさかのぼる。かつては家庭で食べる主食として栽培されていた。やがて農業スタイルの変化と共にそばの栽培は激減するものの玄そばとしての品質の良さが評判になり、農家や農協、行政の力が集結され、「新得町=そば」「そば=新得町」と認められていった経緯がある。先人たちや地域の仲間たちに敬意を表し、「栽培も加工も販売も続けていくことが地域への恩返しなんです」と話す。

高くても安心・安全を届ける

 ときには「新得そばは価格が高い」と言われることもある。しかし、「高くても安心と安全がついてきます」と胸を張る清水さん。農園では土壌管理を徹底し、農薬や化学肥料を使わない特別栽培にもチャレンジ。丁寧に刈り取った玄そばは十分に乾燥・調整し自社工場で製粉する。乾麺製造過程では昔ながらの寒干しに近い自然の原理を生かした国内初の冷風低温乾燥システムを導入し、旨みと香りを引き出した製品に仕上げる。さらに、乾麺では非常に難しいとされてきた「八割そば」の商品化を実現させ、本物の味と食感を追求した商品を誕生させた。それらは「新得そば」というブランドを守る姿勢から、より良いものを全国に発信しようとする攻めの姿勢への転換が機動力になっている。

 また、工場やレストラン周辺は「そばの里公園」として整備し、国道38号線に隣接する自社農園は7月から8月にかけてそばの花が見頃になり、「そばロード」と称する観光のメッカにも成長した。毎年7月最終日曜日には自社イベントの「そばの里まつり」を開催し、地域の人や観光客をもてなしている。

 今年も一面にそばの花が広がっている。

製粉から乾麺製造までの工程をパネルで紹介

製粉から乾麺製造までの工程をパネルで紹介

生産しているそばの一部。「新得そば」で商標登録している

生産しているそばの一部。「新得そば」で商標登録している

農林水産大臣賞の賞状とトロフィー

農林水産大臣賞の賞状とトロフィー

切り揃えられ梱包を待つ乾麺

切り揃えられ梱包を待つ乾麺

製造の最終工程であるパッケージ作業

製造の最終工程であるパッケージ作業

新得物産社屋と工場

新得物産社屋と工場

代表取締役 清水輝男(しみずてるお)さん
プロフィール
株式会社新得物産グループ本社
代表取締役 清水輝男(しみずてるお)さん

昭和24年、新得町生まれ。

新得高校を卒業後、新得町役場に奉職。農林課長、商工観光課長、総務課長、収入役を歴任し、52歳で新得物産株式会社に常務取締役として入社。専務取締役を経て2003年に株式会社新得物産グループ5代目代表取締役に就任。新得物産株式会社、新得そばの館株式会社、有限会社新得物産サホロ農園を束ねる。
WEBサイト

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